成立したeビジネス/デジタルビジネス関連の特許/実用新案(FI=G06Q)で、特許公報発行日が2024年10月のものは999件(うち実用新案3件)でした。それらの中から次の4つをご紹介します(前々月に発行された登録特許から選んでいます)。
三井住友カード株式会社 支援システム、方法、およびプログラム(特許7569399)
2024年10月17日発行。
新規性喪失の例外の表示があります。クレジットカードの利用者情報に基づき、店舗の種類など細分化された業種情報ごとの商圏分析データを自動的に生成・提供、の仕組みに関する発明。キャッシュレスデータを活用したデータ分析支援サービス「Custella」に追加された消費分析地図サービス「Custella Maps」に関する発明のようです。加えて、Custellaにおいて統計データを用いて拡大推計することで現金も含めた市場規模を推計する特許7566104も成立し10月11日に発行されています。
三菱UFJ信託銀行株式会社 ニュースラベリングシステム及びニュースラベリングサーバ(特許7560595)
2024年10月2日発行。
この特許も新規性喪失の例外の表示があります。投資判断に影響を与えるニュース情報を人手を介さずにラベリング又は分類、というような仕組みに関する発明。MILIZEと共同開発したAI活用によるネガティブニュース記事ラベリングシステムに関する発明のようです。
清水建設株式会社 連携システム及び連携制御方法(特許7563924)
2024年10月8日発行。
建物管理者が建物の管理に建物管理システムと一般ユーザに提供されるIoT環境との連携が図られるようにする連携システム及び連携制御方法を提供する仕組みに関する発明。清水建設の建物OS
DX-Coreに関する発明と思われます。
一般社団法人日本自動車連盟 振り分け装置、ロードサービスシステム、及び、プログラム(特許7569419)
2024年10月17日発行。
ロードサービスのチャットボットでのやり取りの内容に応じて、音声通話やビデオ通話に振り分ける仕組みに関する発明。日本自動車連盟(JAF)がDXでGPT-4をエンジンに内製したというJAF AI Chatに関する発明と思われます。
その他、主なeビジネス/デジタルビジネス関連の動向より
その他、注目すべき情報です。主に先月発表の情報より。
三菱UFJがデジタル専業の新銀行設立を検討、みんなの銀行向けシステムが選択肢
日経クロステック 2024/11/18の記事より。三菱UFJフィナンシャル・グループが個人向けのネット展開に積極的です。デジタル専業の新銀行設立検討以外にも、ウェルスナビを買収してロボアドの技術を「マネー・アドバイザリー・プラットフォーム(MAP)」事業の中核サービスの一つとして組み入れる計画。KDDIと共同出資して運営してきたネット証券子会社「auカブコム証券」の全株式を取得し、「三菱UFJeスマート証券」に社名変更する予定。ドコモの仲介でマネックスGとの協業も狙うようです。
注目企業のDX組織 三菱ケミカルグループ 目指すは「デジタル化学会社」
日経コンピュータ 2024年11月14日号より。2026年3月期までの中期経営方針「Forging the future 未来を拓く」では、DXを推進することで変化し続ける市場に適応できる「デジタルケミカルカンパニー」になるとの目標を掲げています。DXを推進する「デジタル所管」に担うべき3つの役割を設定したり、リバースITメンター制度を設けるなど、全社的なDX展開のための体制作りは注目すべきです。
アダストリアのEC戦略、モール化とOMOを加速 2023年に自社EC流通総額1000億円へ
通販新聞 2024/11/14号より。アダストリアは、2031年2月期に自社ECの流通総額(GMV)を24年2月期の363億円から1000億円とする目標を掲げる。10月23日に自社通販サイトを「and
ST(アンドエスティ)」に名称変更。「アンドエスティ」の商品カテゴリー拡大に向けて、自社ECで外部企業のブランドを販売する”オープン化戦略”を推進。「ファンケル」や「ワコール」「ウンナナクール」「ゾフ」といったコスメや下着などのブランドが参画。10月23日時点で17社22ブランドを取り扱っている、とのこと。これまで以上にECに積極的になってきた感じです。