2017年11月の主なニュースより。
1. ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)の発表
ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイは、体型を瞬時に採寸できるボディスーツZOZOSUIT(ゾゾスーツ)の予約を11月に開始しました。スタートトゥデイの前澤友作社長は、「圧倒的な速度で世界中に配りまくり、体重計や体温計のように一家に一台の存在にする。世界中のお客様の体型を最も知り尽くした企業となり、データを元にひとりひとりにピッタリの服を提供する」と語っています。PB商品を発売するのに合わせて、体型を測るツールを提供するという凄い戦略です。私のゼミの学生も何人か予約しました。
しかし、その後、発送が遅れることが発表になりました。ZOZOのPB商品も、年内発売の予定が来年になるようです。
2. フリマアプリの新顔と買取サービス
まず、フリマアプリの新顔です。コメ兵は11月7日、スマホアプリに参入したと発表。ブランド品フリマアプリKANTEは、中古ブランド品に特化し、同社による鑑定機能を付けるとのこと。これまでのスマホアプリでは取引しにくい高額商品を売買する利用者層をねらっていると思われます。
買取サービスも始まりました。メルカリは、不要品をすぐに現金化できる即時買い取りサービス「メルカリNOW」というサービスを11月27日に開始。なお、ヤフーも、20日、ヤフオクで商品の買い取りサービスを始めています。買取サービスでも、両社は競うことになります。
3. 「LOHACO」の正しい使い方(日経デジタルマーケティングより))
日経デジタルマーケティングの2017年12月号の特集「LOHACO」の正しい使い方では、「アスクルのECサイト LOHACOはパートナー企業にとってデータ活用における“宝の山”」と評価し、この特集では、共同で展開する商品開発やプロモーションの事例を紹介しています。これまでは、スーパーのPOSデータをメーカー等が重宝して利用させてもらっていましたが、だんだんとネット販売のデータを活用するようになってきました。アマゾンやアリババも、共同でPB商品を開発していますし、ネット販売のビッグデータの活用がさらに進みそうです。また、LOHACOでもインフルエンサーを活用していることが、この特集で分かりました。
4. アマゾン、米国ネット販売の半分の売上へ
NEWSWEEKのサイトの記事によると、米年末商戦の初日11月24日の「ブラックフライデー」に、アマゾンは全ネット店舗の半分を売り上げたとのこと(調査会社GBHインサイツの分析より)。米国でアマゾンがますます強くなっているのが分かるデータです。日本でもアマゾンPrime会員が増えているようなので、アマゾンの売上が今後も増してゆくのは間違いないでしょう。
成立したビジネス方法特許より
特許公報発行日が2017年10月のeビジネス関連の特許は、338件でした。この中から次の4件をご紹介します。
株式会社 ディー・エヌ・エー SNSを提供するためのシステム、方法、及びプログラム(特許6220467)
2017年10月25日発行
犬専用のSNSクンカブルに関する特許。「所定の行動の実行に応じて増加するように行動量パラメータを更新」する仕組み。
三井住友銀行 ブロックチェーンを利用した金融取引方法およびシステム(特許6218979)
2017年10月25日発行
ブロックチェーン上での価値移転に基づき勘定系操作を実行する仕組み。ブロックチェーン技術を活用した特許は今後も増えそうです。
株式会社リンクアンドモチベーション エンゲージメントシステム(特許6208911)
2017年10月4日
リンクアンドモチベーションのモチベーションクラウドでエンゲージメントを測る機能に関する特許。このサービスのWebページに、この特許の番号が書かれています。長期スパンでのサーベイと、短期スパンでの小規模サーベイを行うことにより、組織の強化・改善を支援するエンゲージメントシステムの発明。なお、エンゲージメントは企業で働く上で重要な指標です(私の授業の中でも学生に紹介しています)。
cocoro SB株式会社 顧客応対制御システム、顧客応対システム及びプログラム(特許6219448)
2017年10月25日
ロボット人材派遣サービス「ロボバイト」を実施するソフトバンク系企業の特許。顧客の怒りの感情が強くなった際に、ロボットを自立動作状態からオペレータ応対状態に遷移させるような仕組みの発明。顧客対応としては、こんな仕組みが現実的なのでしょう。