成立したeビジネス/デジタルビジネス関連の特許/実用新案(FI=G06Q)で、特許公報発行日が2026年3月のものは805件(うち実用新案5件)でした。それらの中から次の4つをご紹介します(前々月に発行された登録特許から選んでいます)。
青葉出版株式会社 文章生成システム(特許7829255)
2026年3月13日発行。
大規模言語モデルを利用して、学校において評価対象者の評価文書に記載される所見文章を生成する文章生成システムの仕組みの発明。この企業が提供するAI所見文例(児童の日常のようす・学習記録を入力すると、文書生成AIが、人間のような自然な文章で所見文例を作成するWebサービス)に関する発明と思われます。そのWebページに「特許出願中」と書かれています。忙しい先生にはありがたいサービスでしょうが、教員採用されたばかりの新米の先生については、ノウハウを自分で学ばないといけないので、数年間はこのようなサービスは使ってはだめ、というような運用がされるのでしょう。
株式会社博報堂DYホールディングス 情報処理システム、情報処理方法およびプログラム(特許7828501)
2026年3月11日発行。
生活者の意識データと行動データを掛け合わせて分析することを可能にする仕組みの発明。行動データから生活者の訪問先を特定。新規性喪失の例外の表示があり、アジアでグローバルトラベルSIMカードを提供する
ビリオン・コネクト・ジャパン社と戦略的パートナーシップを締結し、訪日アジア生活者の旅ナカ位置情報ビッグデータを活用、という発表に関する発明と思われます。訪日アジア生活者の把握・理解を支援する「意識データ×行動データ」の分析ダッシュボードの開発などを行なうようです。
楽天グループ株式会社 インタビューシステム、インタビュー方法、及びインタビュー用プログラム(特許7836910)
2026年3月27日発行。
複数回の質疑応答により取得した複数の回答を要約した要約文を、大規模言語モデルを使用して生成し、要約文の可否を問う確認文を要約文と共にユーザ端末に送信することで、確認の回答を取得する仕組みの発明。
新規性喪失の例外の表示があり、楽天超ミニバイトでのインタビュー調査の新たな機能AIチャットインタビューに関する発明と思われます。
フリー株式会社 情報処理システム、情報処理方法、及び、情報処理プログラム(特許7826554)
2026年3月9日発行。
より多くの様式の書類から、より正確に情報を読み取ることができる情報処理システムを提供するため、書類から発行元情報の推論を行うための発行元推論エージェントを利用する仕組みの発明。保険料控除証明書を読み取る例などが示されています。新規性喪失の例外の表示があり、AI年末調整アシスト機能に関する発明と思われます。
その他、主なeビジネス/デジタルビジネス関連の動向より
その他、注目すべき情報です。主に先月発表の情報より。
デジタルスキル標準ver.2.0(DSSver.2.0)の公表
経済産業省が4月16日に発表。新たな6つ目の類型として「データマネジメント」を新設(既存のデータサイエンティスト類型の中にあったデータエンジニアは削除)。「ビジネスアーキテクト」「デザイナー」の中のロールの変更、共通スキルリスト等の見直しなど。昨年から、いくつかのタスクフォースで議論されていて、既に漏れ聞こえていた変更内容が正式に発表されました。なお、4月10日にはDX銘柄2026の発表もありました。
三井住友FG 新たな中期経営計画の概要
4月1日に三井住友FGが発表。2026年度からの 3年間を計画期間とする新たな中期経営計画は、ビジョンの実現に向けて「高みを目指して大胆な変革にチャレンジ」する
3年間とします。ITトランスフォーメーションに集中的に取り組みます。IT 投資の拡大と開発力の強化を通じて、生成 AI をはじめとして日々進化するテクノロジーを最大限活用できる企業体への変革を図ります、という内容。特に注目されるのは、「3カ年1兆円規模のIT投資」という巨額な投資金額。金融業界での千億円以上のIT投資は驚かなくなりましたが、「1兆円」規模の積極的なIT投資をしないと業界をリードできない、という状況になったということでしょう。
LINEヤフー、対話アプリ・ポータルに「AI窓口」 100超のサービス連携
日経電子版 2026/4/20より。自律的に動くAIエージェント「Agent i(エージェント・アイ)」を発表。まず、商品選びや観光コースの立案、天気など7種類のサービスを使えるようにして、9月までに料理のレシピ提案や車選び、イベント検索など約20種類まで増やす、とのこと。LINEヤフーはCXとサービス収益の向上を目指して、サービスを連携させたAIエージェントの実装を積極的に進めているようです。