2017年12月~2018年1月のeビジネス関連の主なニュースより。今回は2カ月分です。

1. ヤフーは社長交代で「データの会社」へ

 1月、ヤフーの社長が43歳川辺健太郎氏に交代となった。「日本に住む人の行動データを最も持っている会社」を「データの会社」に押し上げるのが最大の使命、と言っていて、ビッグデータをビジネスにする意向です。
 最近、「デジタルトランスフォーメーション」という言葉がよく聞かれます。企業が持つデジタルデータをいかにビジネスにつなげるかが重要になってきました。ヤフーは、自社が持つ膨大なデジタルデータを広告事業には活用していましたが、外部提供などにも活かそうということでしょう。

2. 楽天が西友とネットスーパーへ展開

 西友は、2013年にDeNAと提携して「西友ドットコム」を開設し、配送センターから商品を配送する「配送センター便」を開始。しかし,配送センター便は「倉庫館」「ビッグセーブ」と名前を変更した後、2018年1月末で終了。代わって,2018年1月にウォルマート(西友の親会社)が楽天との提携を発表。西友が運営するネットスーパーと楽天の「楽天マート」を統合し,「楽天西友ネットスーパー」を立ち上げ,2018年にサービスを開始する計画です。
 楽天としては、楽天マートがあまり伸びなかったので自社単独をやめ、ウォルマートとの今後の協業関係を期待して、西友と提携することにしたと思われます。
 楽天は家電分野では、ビックカメラと新会社、配送やO2O施策強化(通販新聞 2018/1/4号)という展開を見せています。独自商品(PB家電)も開発する方針のようです。


3. UUUM、動画コマースに参入

 多くの有名ユーチューバーが所属する事務所UUUMが、伝説の宝島 MUUU(新感覚のアソビバECサイト)というサイトを開設しました。通販新聞の記事によると、動画広告収入と企業からのタイアップ広告料が収益の柱だが、所属ユーチューバーを起用した物販を本格化することで、第3の柱として自社ECを育成したい考え、とのこと。所属ユーチューバーの知名度を活かして、自社でも販売に乗り出すわけで、10代が集まる売り場目指すという点が、テレビ通販などと違う点でしょう。


4. NTTドコモ、QRコードを使った決済サービス「d払い」を開始へ

 NTTドコモが、QRコードを使った決済サービス「d払い」を4月から開始するとのことです。日経BPの記事によると、2018年4月のサービス開始当初は高島屋やタワーレコード、ツルハホールディングスなどの店舗で利用可能にし、同年夏以降にウエルシアホールディングス、マツモトキヨシ、ローソンなども順次導入する、とのこと。決済代金を携帯電話の利用料に合算して精算する仕組みを採ることで利用開始時の申し込みを不要にするほか、18歳未満も利用可能にする、ということで、特に小中高の子供に利用させるような使い方を想定しているのでしょう。ドコモは、「決済履歴は利用者の承諾を得たうえでドコモのサーバーに蓄積し、お薦め商品の提示などデジタルマーケティングに活用」という展開を考えているようです。このような展開をするためにも、多くのドコモ利用者に使ってもらいたいところでしょう。

 

成立したビジネス方法特許より

 特許公報発行日が2017年11月のeビジネス関連の特許は375件、2017年12月は344件でした。それらの中から次の4件をご紹介します。

カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 提供装置、プログラム、および提供方法(特許6250557)
 2017年12月20日発行
 発明者は、増田 宗昭 社長、Tポイントカードの利用者に販売促進を行う企業向けの仕組みのようです。どこで買い物をした人にクーポンを配布するかを決めるような操作を可能にするシステム。

みずほ銀行 銀行サービスシステム及び銀行サービス方法(特許6255070)
 2017年12月27日発行
 振込API及び取引APIを有する中継サーバとを含む銀行サービスシステムがECサイトとの連携する仕組みの発明。銀行法でAPI公開が努力義務になるなど、金融機関のAPI連携が今後すすみそうですので、このような技術が重要になりそうです。

株式会社ドワンゴ 授業システム及び授業支援方法(特許6251800)
 2017年12月20日
 ドワンゴの高校のN校で行われている通信教育に関する特許と思われます。授業を活性化させるため、過去に教師より出された問題に対する解答を発表した頻度が、所定の閾値以下の生徒を抽出するといった仕組み。

独立行政法人大学入試センター  採点補助システム(特許6254629)
 2017年12月27日
 この特許も教育関連の発明。記述式の試験問題の採点を補助する仕組み。センター試験の後継の「大学入学共通テスト」には記述式の問題が入る予定ですので、その動向をにらんで記述式の試験問題の採点を補助する仕組みを考えているようです。

 

 

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2017年04月04日
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