2018年8月のeビジネス関連の主なニュースより。

1. ARM、ビッグデータ管理 Treasure Dataを買収

 ソフトバンク傘下の英半導体設計大手ARMは8月3日、ビッグデータ管理の米トレジャーデータを買収することを発表しました。トレジャーデータは、ビッグデータの管理・分析のためのツールとして国内でも利用企業が増えているようです。ARMは、IoTを含むビッグデータの分析を行うツールとして育てたいという意図があるのでしょう。なお、日経コンピュータ 2018年8月30日号に、変貌するアーム、AIとIoTの基盤を牛耳りたい孫氏という記事があります。ソフトバンクにも、IoTに力を入れたいという姿勢が見えます。

2. 楽天の国内EC流通総額とメンバーシップバリュー

 楽天は8月6日、第二四半期の決算報告を行いました。2018年第二四半期(4~6月期)の連結の国内EC流通総額は、前年同期比11.1%増の9023億円と好調でした。また、決算報告の資料の中で、楽天エコシステムを拡大させるため、「楽天エコシステム(経済圏)メンバーシップバリュー」という数値を使っていることを公表しました。 メンバーシップバリューは、「延べサービス利用者数×LTV(Life time value)」で定義していて、現在の4兆円を10兆円に引き上げることを目標としているとのことです。やはり、利用者の囲い込みがポイントと考えているようです。


3. つぶやきを止めるな!「中の人」座談会

 日経MJ 2018年8月29日の1面は、つぶやきを止めるな!「中の人」座談会という企画でした。バズればいい、というだけでなく、「フォロワーと長い時間かけて関係を築いてゆくことが必要」というような発言があり、企業の中でつぶやく人の大変さが感じられました。また、数値目標として、「去年まであったフォロワー数の目標を今期から追わず、発信した情報がどれだけ広がっているのかのインプレッション数を見ています」という発言があるの興味深いです。バズというほどでなくとも、広がりがとても大切であることが感じられます。


4. メルチャリが東京へ進出

 福岡市で2月に開始されたメルカリの自転車シェアサービスの「メルチャリ」が、8月22日から東京・国立市で実証実験を始めました。リリース文が出ています。都内は、ドコモ・バイクシェアが拡大中(日経産業新聞2018/8/29)ですので、東京といっても国立市で始めたと思われます。まだまだ規模は大きくないので、これからどうでしょうか。

 

成立したビジネス方法特許より

 特許公報発行日が2018年7月のeビジネス関連の特許は408件でした。それらの中から次の3件をご紹介します。

株式会社 みずほ銀行 支払支援システム及び支払支援方法(特許6363254)
 2018年7月25日発行
 分散型台帳技術を用いて、債務記録情報の正当性を確認できる基盤システムを利用して、効率的な支払を支援する仕組み。このように分散型台帳(ブロックチェーン)技術を活用した特許がいろいろと成立し始めています。

パーク二四株式会社  車両管理サーバ、およびコンピュータプログラム(特許6358583)
 2018年7月18日発行
 カーシェアリングにおける車両管理とレンタカーにおける車両管理とを融合させることで、車両を合理的に融通し合うことが可能な車両管理システム。カーシェアリングとレンタカーの両方の事業を行っている強みを活かすための発明といえるでしょう。

三菱UFJ信託銀行株式会社 人工知能を用いたファンド運用システム(特許6363663)
 2018年7月25日発行
 人工知能モデル及び時間変動解析モデルを用いたファンド運用システムに関する発明。高市場連動型解析ユニットは、人工知能(AI)を用いて資産価値に影響を与える要因を学習することにより前記資産価値の変動を予測。複数の異なるモデルを用いて市場の動向を解析して資産運用が可能なファンド運用システムの提供を目的とする。三菱UFJ信託銀行が運用する、人工知能を活用した投資信託とはでインタビューに答えているその会社の2名が、この特許の発明者。


 

 

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2017年04月04日
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