2019年1月のeビジネス関連の主なニュースより。

1. LINEインフラへの道① 「全ての便利」を掌に アプリ拡充 顧客基盤深堀り

 日経産業新聞 2019/1/23-1面の記事より。LINEが生活インフラとしての存在感を高めていて、さらにインフラとしての基盤を築こうとしていることが、この記事で解説されています。金融などの利用情報から、信用スコア事業へも進出する計画です。AIにも積極的で、インフラとしての地位を固めたいのでしょう。スマホ時代になって、ヤフーよりも存在感を高めてきたという感じです。なお、日経産業新聞2019/1/29のLINE社長へのインタビュー記事によると、「収益よりまず利用者集め」とのことです。

2. アスクルが挑む「宅配クライシス」

 通販新聞の2019年1月3日号㊤2019年1月10日号㊥2019年1月17日号㊦より。アスクルは、自社配送の外販などによるコスト削減や、新小口配送モデルの開発に積極的です。需要予測した上で、オフィスビルの空きスペースに一定数の商品を保管するような方法など、新たな小口配送モデルの仕組みが興味深いです。BtoCの物流の問題の解決策にもつながるかもしれません。


3. 茨城大、AI関連教育を全学部必修に 19年度

 ビジネスの話ではありませんが、IT教育での大きな動きです。日経の記事によると、茨城大は19年度から、全学必修の基盤科目である情報リテラシーの講義で、AIやデータサイエンスに関する内容を取り入れるとのこと。既に金沢工業大学や東京工科大学のような理系大学では、必修科目にAIの内容を入れる動きがありましたが、文系まで含めてAIの教育まで行われるようになってきました。なお、IT関連の資格でも、ITパスポート試験は4月から出題範囲にAIを入れる予定です。


4. グリー、ファンコミュニティ・プラットフォーム「Fanbeats」提供開始

 1月23日、グリーから、エンターテインメント領域に特化したファンコミュニティ・プラットフォーム「Fanbeats」の提供が始まりました。プレスリリースがあります。面白いのは、すべての機能を自分で提供せずに、BASE・ギフティ・オープンロジなど7社と提携して、ネットショップの開設や電子ギフトの提供、プロジェクト特典の配送代行などの各種サービスを提供しているところでしょう。そして、中心となる利用ファンを巻き込むプロジェクト機能は、特許出願中とのことです。このように、外部のサービスと連携して周辺機能を提供し、コアとなる自前の部分は知財でおさえて真似させないようにする方式は、「APIエコノミー」ならではの賢い方法でしょう。

 

成立したビジネス方法特許より

 成立したeビジネス関連の特許で、特許公報発行日が2018年12月のものは387件でした。それらの中から次の3件をご紹介します。

株式会社セブン銀行 認証システム(特許6445725)
 2018年12月26日発行
 画像情報で特定される人物と、カード情報に含まれる顔写真情報で特定される人物とが一致するか否かを検証して認証する仕組み。これは、先月発表されたセブン銀行の高精細カメラで本人確認して口座開設などができるシステムの仕組みを特許化したものと思われます。

KDDI株式会社、Supership株式会社 広告サーバ、広告システム及び分配方法(特許6445346)
 2018年12月26日発行
 「新規性喪失の例外の表示」から、インターネットサービス企業12社による「中心のないポータル」構想の「Syn.alliance (シンドットアライアンス)」の仕組みに関する特許であることが分かります。しかし、Syn.allianceは昨年7月に終了していて、特許だけ残ったことになります。

エアビーアンドビー インコーポレイテッド  ユーザソース宿泊施設のための予約の有効性の自動決定(特許6437999)
 2018年12月12日発行
 Airbnbの特許。民泊であるため、ホストは宿泊できるかどうかの情報を頻繁には更新しないという問題に対する発明。宿泊施設の現在のリストにされた利用可能性と、宿泊施設についての利用可能性の情報の更新時における宿泊施設のホストの過去の行動とに基づいて、所与期間に関する宿泊施設の利用可能性を予測する、という仕組み。

 


 

 

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2017年04月04日
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