2019年2月のeビジネス関連の主なニュースより。
1. 2018年の国内広告費
2月28日、電通から2018年 日本の広告費が公開されました。毎年、2月ころに前年のデータを集計して公開しているものです。そろそろ日本でも、ネット広告がテレビ広告を抜くのではないかと思われていましたが、2018年はかろうじてテレビ広告がネット広告をわずかに上回りました。今年は、ネット広告が上回るのは確実でしょう。また、今回から「マスコミ四媒体由来のデジタル広告費」というデータが公開されています。「マスコミ四媒体事業社などが主体となって提供するインターネットメディア・サービスにおける広告費」で、新聞デジタル、雑誌デジタル、ラジオデジタル、テレビメディアデジタルをそれぞれ集計しています。マスコミが衰退しているのでなく、デジタルシフトしていることを示したかったのでしょう。
2. 日経コンピュータにデジタルトランスフォーメーションの特集
日経コンピュータ2019年2月7日号の特集は、「さあ、デジタル変革の旅に出よう」でした。ネット上には、DX先進12社の研究というページで大まかな内容が公開されています。既存企業がGAFAなどのネット大手(ディスラプター)に対抗するために、デジタルトランスフォーメーションへの取り組みを本格化していることが分かります。その特集に関する記者の眼の記事の中には、「デジタルトランスフォーメーション」を冠した部署がどんどんできている、という最近の動向が報じられています。なお、小生も事例を集めていて、今月からデジタルトランスフォーメーション(DX)の事例集というページを作成・公開し始めました。
3. データ連携(セブン&アイ、ヤフーなど)
日経産業新聞 2019/2/8に、セブン&アイ、異業種と築くデータ連合という記事がありました。セブン&アイ・データラボへの参加企業が20社に増え、個別に研究課題を設定して、共同で商品開発や販促などにつなげているとのこと。また、ヤフーは2月13日、企業や自治体向けに自社のビッグデータを活用して商品開発や在庫予測などに生かす新サービスを10月から始めると発表しました。このように、ビッグデータを持つ企業が、データを活かした展開を進めています。
4. 月刊ネット販売での楽天市場の特集
月刊ネット販売2019年3月号の特集はさらなる成長へ「楽天市場」次の一手でした。「サービスの統一」というテーマを軸にしたい考えで、顧客により安心感を持ってもらうことを狙っているようです。特に物流面(配送スピードや送料など)で熱心に取り組んでいることが分かります。小森執行役員は「19年はどこかのタイミングで当日配送を始めたいと思っています。」とまで語っています。
成立したビジネス方法特許より
成立したeビジネス関連の特許で、特許公報発行日が2019年1月のものは439件でした。それらの中から次の3件をご紹介します。
寺田倉庫株式会社 仲介システム、保管システム、及び仲介方法(特許6457679)
2019年1月23日発行
この発明は、寺田倉庫のMOVIE & AUDIO MEDIA STORAGEという動画などのストレージサービスに関する仕組みと思われます。寺田倉庫は、minikuraやminikuraTRADEに関する特許を既に保有していますし、知財でサービスを保護しようとする意識が高い企業です。
株式会社 ディー・エヌ・エー ファン管理サーバ装置、ファン管理プログラム、及びファン管理方法(特許6456623)
2019年1月23日発行
プロ野球チーム等のスポーツチームのファンクラブの管理方法に関する発明。ユーザ端末装置の位置情報を取得して、同じ属性のユーザが多く存在する席に誘導するなどの仕組み。まだ実施されていないと思われます。
BizteX株式会社 ウェブブラウザの操作を伴う業務プロセスを自動化するためのシステム、方法及びプログラム(特許6452882)
2019年1月16日発行
ウェブページのキャプチャ画像を使うことでRPAの定義の操作を簡易化する仕組みに関する発明。現在RPAはブームですので、権利化できたことで、この企業は売り込みがしやすくなるでしょう。