成立したeビジネス/デジタルビジネス関連の特許で、特許公報発行日が2019年10月のものは414件(実用新案 2件を含む)でした。それらの中から次の4つをご紹介します(ダイレクトリンクを張る関係で前々月に発行された登録特許から選んでいます)。今月号から、特許庁のダイレクトリンクを用います。
株式会社博報堂DYホールディングス 仲介装置及びコンピュータプログラム(特許6592213)
2019年10月16日発行。
情報銀行関連の特許のようです。データ利用者(企業などのパーソナルデータの利用者)からは、パーソナルデータ事業者がどのようなパーソナルデータを保有しているかが把握しづらいため、メタデータに基づいて、データ利用者に適した調達プランを決定するという仕組み。10月に、博報堂DYホールディングスは、株式会社Data EX Platformを設立して情報銀行のビジネスに乗り出しています。なお、そのホームページ上には、k-統計化&データフュージョン(特許第5793794号)とモデル転移型データフュージョン(出願番号2019-062455)の特許技術について掲載されています。
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社 プログラム、情報処理方法及び情報処理装置(特許6591571)
2019年10月16日発行。
この特許については、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムから【特許取得のお知らせ】 デジタル活用による屋外・交通広告効果測定に関する特許を取得いうリリース文が先月発表されています。ユーザが所在した施設を示す所在情報と、ユーザの座標を示す位置情報などから、広告の効果測定を行う仕組みの特許のようです。
株式会社メルカリ ウェアラブル端末、情報処理端末、プログラム及び商品情報表示方法(特許6589038)
2019年10月9日発行。
この特許の【新規性喪失の例外の表示】に、mercari R4D、スマートグラスに最適化したフリマアプリ「メルカリ」の実証実験を開始というYouTube動画のurlが書かれています。スマートグラスを使い、ジェスチャ(指を指す等)でメルカリに出品された商品を探してくれるという仕組みの特許です。
富士フイルム株式会社 リコメンド装置、リコメンド方法、プログラムおよび記録媒体(特許6588607)
2019年10月9日発行
「ネットワークを介して画像を公開する画像公開システムにおいて、第1ユーザとの親密度が高い第2ユーザを正確に検出し、第2ユーザに関連する情報を第1ユーザにリコメンドすることができるリコメンド装置」というような仕組みの特許。富士フイルムは、FUJIFILM PhotoBankの中に写真から独自AIが商品・サービスを提案をしてくれるマーケットプレイスを2020年初頭に提供、と発表しています。その機能かもしれません。分割前の出願で、既に特許第6401121号が成立しています。
その他、主なeビジネス関連の動向より
その他、eビジネス/デジタルビジネス関連で注目すべき情報です。先月発表の情報より。
ヤフーとLINE、経営統合に関する基本合意書の締結
11月18日に発表されたネット業界にとって大きな動きです。「日本・アジアから世界をリードするAIテックカンパニー」を目指すとのことですが、詳細はこれからのようです。個人的には、スマホ決済、ネット広告、ポータル、情報ビジネス(信用スコア等)など、様々な面で大きな可能性があると思います。
セブン&アイHD、アスクルと組み展開の生鮮品EC「IYフレッシュ」終了へ
通販新聞 2019年11月14日号より。テスト展開してきましたが、売り上げが採算ラインに届かず、今後のエリア拡大が難しいと判断、という理由とのこと。両者とも物流に関しての課題はあるため、今後も連携は続けるようですが、やり方の見直しが必要のようです。
誰が得する○○ペイ キャッシュレスの闇
日経ビジネス 2019/11/18号の特集。「官製普及策の限界だ。付け焼き刃の政策で現場は混乱。その間隙を縫うようにソフトバンクグループのPayPayが勢力図を一気に塗り替えていた。」という状況。