成立したeビジネス/デジタルビジネス関連の特許で、特許公報発行日が2020年3月のものは570件でした(実用新案2件を含む。最近、成立件数が前年より数割増えています)。それらの中から次の4つをご紹介します(ダイレクトリンクを張る関係で前々月に発行された登録特許から選んでいます)。
アセットマネジメントOne株式会社 情報処理システム、及び利率算出システム(特許6665241)
2020年3月13日発行。
元本確保型の投資信託「プライムOne」の特許。日経のニュースにもなりました。仮想ポートフォリオに基づく運用シミュレーション、仮想ポートフォリオの資産配分を定期的に投資信託会社の投資戦略に基づきリバランス、というような仕組みが特徴の発明。
アスクル株式会社 輸配送管理システム(特許6669190)
2020年3月18日発行。
倉庫→中間拠点→最寄拠点、へと配送する仕組みで、予測出荷や輸送キャパシティの考慮などが特徴の発明。アスクルは一昨年、新たな小口配送モデルの実証実験をしています(新聞報道あり)ので、その機能に関する発明と思われます。
ヤフー株式会社 評価装置、評価方法及び評価プログラム(特許6664596)
2020年3月13日発行。
屋外広告の評価に関する発明。「移動体内画像に基づいて、利用者が広告物を見たか否かの情報を取得し、前記利用者が前記広告物を見た場合、前記広告物を見た後における前記利用者の表情を分析」というような仕組みです。まだ実現していないと思いますが、技術的には近い内に実現できるかもしれません。
株式会社スマートショッピング 重量計測手段および在庫管理システム(特許6665234)
2020年3月13日発行
在庫管理・自動発注サービスIoT機器スマートマットの仕組みに関する発明のようです。重量計測マットから送信される重量データに基づいて残量を算出する仕組みで、死蔵品アラート(商品の最大在庫日数が適正在庫日数上限値を超えている場合)の生成を含むことが特徴。残量アラートを生成する仕組みだけでは、特許化できなかったようです。
その他、主なeビジネス/デジタルビジネス関連の動向より
その他、注目すべき情報です。主に先月発表の情報より。
アマゾンジャパン スピード配送エリアを再拡大、ライフと組み夏メドに都内20区4市に
通販新聞が4月に報道したニュースより。プライムナウは昨秋に展開エリアを大幅に絞り、現状、都内10区のみが対象。それを、ライフコーポレーションの商品の配送に限って配送対象エリアを拡大するとのこと。ライフとアマゾンによる都心のネットスーパー事業が好調のようです。
特集 楽天の岐路 携帯参入、大博打の勝算
日経ビジネス 2020/04/20号の特集。携帯参入の問題(今月、5Gサービス開始の3カ月延期を発表)、楽天市場離れの問題など、楽天にはいろいろと問題があります。今年は、楽天経済圏をさらに発展させられるかの岐路となるでしょう。
デジタル通貨の動向
先月は、デジタル通貨関連で重要な報道がありました。まず、Facebook主導のデジタル通貨「リベラ」が、「個別通貨連動型」へ方針転換したとのこと。日経の記事によると、金融当局などの反発を受けて軌道修正し、「ドル版リブラ」「ユーロ版リブラ」などが併存する形となる可能性が高い、とのこと。個人的には、個別通貨連動型でもいいので、デジタル通貨を気軽に利用できる環境になってほしいと感じています。また、中国がデジタル人民元を試行という新聞報道(産経新聞)も先月ありました。