成立したeビジネス/デジタルビジネス関連の特許で、特許公報発行日が2020年6月のものは390件でした。それらの中から次の4つをご紹介します(ダイレクトリンクを張る関係で前々月に発行された登録特許から選んでいます)。
ピンタレスト,インコーポレイテッド ユーザが提供する商品の表示を当該商品の販売者にマッチングさせること(特許6712719)
2020年6月24日発行。
ピンタレストの認定ショッププログラム(2020年4月8日より米国で開始され、他の国でも開始予定とのこと)に関する発明と思われます。
アルトア株式会社 情報処理装置及びプログラム(特許6704973)
2020年6月3日発行。
オンラインレンディングに関する発明。アルトアは弥生の子会社で、オリックスも出資。産経のサイトの申込急増「フィンテック」 コロナで変わる金融という最近の記事の中でも紹介されていました。なお、この特許は分割出願が成立したもので、既に、同じ発明(請求項のみ異なる)の特許6423031が2018年に成立していました。
楽天銀行株式会社 認証システム、端末、認証方法、及びプログラム(特許6703080)
2020年6月3日発行。
「新規性喪失の例外の表示」によると、楽天銀行のQRログイン機能に関する発明のようです。
株式会社エクサウィザーズ 取引管理装置及びプログラム(特許6713644)
2020年6月24日発行
対象者の判断能力を考慮して異常取引を適切に防止するための発明。先月、福岡銀行にAIが詐欺や払いすぎを検知する口座見守りサービスのテスト版の提供を開始したというリリース文が出ていました。そのための仕組みの発明のようてす。
その他、主なeビジネス/デジタルビジネス関連の動向より
その他、注目すべき情報です。主に先月発表の情報より。
アダストリア、1Q、EC化率 42.8%
大手アパレルのアダストリアの今年第一四半期(3~5月)のEC化率が42.8%に達したことが、通販新聞などで報じられました。店舗網を持っているアパレル企業でも、EC化率が2割以上のところがありますし、3割くらいならば驚かないのですが、42.8%というとても高い数値になったことは驚きでした。通販新聞2020/7/16号によると、「店舗休業中にウェブ接客強化」というのが理由のようです。全体で売上は大幅減でしたが、店舗での売上減をある程度ネットで補った、と解釈するのがいいでしょう。その他、ネットショップ担当者フォーラムなどでも取り上げられました。
SBIグループとSMBCグループの資本・業務提携契約締結
両グループは、今年4月に戦略的資本・業務提携に関して基本合意書を締結。その提携が具体化し7月30日に発表されました。金融業界にとって、大きな動きです。SBIネオモバイル証券と三井住友銀行の業務提携は、主に若年層に対してスマートフォンを通じて各種金融サービスを提供。SBI証券と三井住友銀行の業務提携は、相続ビジネスにおいての連携。
ローコードとノーコード
プログラム開発の方法が変わりつつあります。これまでもプログラミング不要のCASEツールなどが一部で使われてきましたが、近年は「ローコード」または「ノーコード」という考え方が広まりつつあります。日経コンピュータ
2020/07/23号の特集は、ローコード革命でした。ほとんどプログラミングせずに「直感的な操作」でアプリケーションを開発するローコードアプリケーションプラットフォームを紹介しています。また、日経産業新聞2020/7/21の1面にはアプリ開発 直感操作で、イエス!ノーコードという記事が載りました。いろいろと成功例が出ていますので、クラウドシステムの開発では利用が進むと思われます。