成立したeビジネス/デジタルビジネス関連の特許で、特許公報発行日が2020年7月のものは601件(うち実用新案1件)でした。それらの中から次の4つをご紹介します(ダイレクトリンクを張る関係で前々月に発行された登録特許から選んでいます)。
任天堂株式会社 情報処理システム、サーバシステム、情報処理プログラム、および情報処理方法(特許6719535)
2020年7月8日発行。
昨年発表されたPokemon Sleep(睡眠をエンタメ化するスマホアプリ)に関する発明と思われます。据置型装置は睡眠中におけるユーザのQOLを評価し、携帯型装置は、覚醒中におけるユーザのQOLを評価。具体的には、感情情報算出、嗜好情報算出、疲労度を算出など。それをゲームに反映(特典の付与など)する仕組み。なお、この特許は分割出願が成立したもので、同じ発明(請求項のみ異なる)として、特許6444893が既に成立していました。
株式会社三井住友銀行 貿易取引のためのシステム、方法、およびプログラム(特許6718980)
2020年7月8日発行。
貿易取引の手続きをブロックチェーン上でスマートコントラクトによって実行する仕組みで、特に、輸出入される貨物の現在位置等の状態に連動して、貿易取引の手続きを進めるための技術に関する発明。三井住友銀行のブロックチェーンを利用した貿易金融への取り組みとしては、米R3と英TradeIXが中心となって推進している貿易金融プラットフォーム「Marco
Polo」を利用しようとしていますし、NTTデータが開発し試行運用中の「TradeWaltz」のコンソーシアムにも参画しています。ですので、そのどちらかで利用するための発明と思われます。
株式会社Andeco マーケット管理システムおよびマーケット管理方法(特許6723553)
2020年7月15日発行。
移動販売プラットフォームを提供する会社の特許。移動可能な店舗(フードトラック等)に、出店区画への出店の希望を取り、区画を決定し、連絡する一連の仕組みを特許化。
ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー カスタマイズされた製品の推奨を提供するためのシステム及び方法(特許6730443)
2020年7月29日発行
消費者の肌状態を評価し、その評価に基づいてカスタマイズされた製品の推奨を提供する仕組み。SK-IIの体験型スキンケア・ストアSK-II Future X Smart Storeや、P&GのCESへの出展に出てくるAIを活用した肌測定の仕組みに関する発明と思われます。
その他、主なeビジネス/デジタルビジネス関連の動向より
その他、注目すべき情報です。主に先月発表の情報より。
「DX銘柄2020」「DX注目企業2020」の選定
経済産業省が、デジタル技術を前提としたビジネスモデル・経営変革に取り組む上場会社を選定。8/25に発表。DXグランプリに、コマツとトラスコ中山。これまで「攻めのIT経営銘柄」という名称で2015年より選定してきたもの。
デジタル投資15.8%増 20年度、コロナ下でDX加速
日経の8/10の記事より。日本経済新聞社は2020年度の設備投資動向調査をまとめた。全体の設備投資額が1.2%減になるなか、企業のIT(情報技術)投資の計画額は前年度実績比15.8%増と大幅に増える見通し。
ペイペイ、多機能アプリに
日経の8/21の記事より。PayPayが「スーパーアプリ」と呼ばれ様々なサービスの入り口となる多機能型アプリの構築へ。同時に、金融事業のブランドを統一する。PayPay銀行・PayPay証券(いつの間にか、One
Tap BUYはソフトバンクグループの子会社になっていました)などが誕生へ。