成立したeビジネス/デジタルビジネス関連の特許(FI=G06Q)で、特許公報発行日が2021年5月のものは387件(うち実用新案2件)でした。それらの中から次の4つをご紹介します(ダイレクトリンクを張る関係で前々月に発行された登録特許から選んでいます)。

三井住友海上火災保険株式会社  保険商品提示装置およびプログラム(特許6868075)

 2021年5月12日発行。
 代理店向けに、契約者に関する情報と契約している保険商品との関係を学習した機械学習モデルを用いて保険商品を選択して提示する発明。これは、三井住友海上が2019年に運用を開始したAIを活用した代理店向けシステムMS1 Brain(エムエスワン ブレイン)に関する発明と思われます。

やさいバス株式会社 流通システム、流通プログラム、情報処理装置、及び、情報処理方法(特許6876333)

 2021年5月26日発行。
 やさいバスは、地域の共同配送システム(直売所や道の駅、青果店、卸売業者の倉庫などを集出荷場であるバス停に設定し、「やさいバス」と名付けた冷蔵車が巡回)を運営しています。静岡県で始まり、長野・茨城・東京都市圏・千葉・愛知に広まっています。この発明は、この事業の流通の仕組みの発明と思われます。集荷・配荷作業の終了の送信を含む仕組みが特許化されています。

株式会社日立製作所 + 積水ハウス株式会社 施工データ管理支援装置および施工データ管理支援方法(特許6878210)

 2021年5月26日発行。
 施工データを施工管理装置間での統一フォーマットに変換することで、種々の施工管理装置由来の施工データを統一管理可能とするための発明。

株式会社NTTドコモ + 学校法人慶應義塾 + 国立大学法人 東京大学 サーバ装置(特許6876295)

 2021年5月26日発行。
 2018年に、NTTドコモからリリース文スマートフォンを使ってストレスを推定する技術を開発 慶應義塾大学、東京大学と共同開発が出されています。この発明は、その技術を用いて、ユーザのストレス状態に応じて適切なコンテンツをレコメンドするという応用の仕組みの発明のようです。

 

その他、主なeビジネス/デジタルビジネス関連の動向より

 その他、注目すべき情報です。主に先月発表の情報より。

「DX銘柄2021」「DX注目企業2021」の発表
 経済産業省は、東京証券取引所と共同で「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」を選定し、6月7日に、「DX銘柄2021」選定企業28社と「DX注目企業」20社を発表。日経クロステックによる一橋大学の伊藤邦雄CFO教育研究センター長(DX銘柄2021評価委員会委員長)へのインタビュー記事「DX銘柄2021」、選定企業が差をつけた5つのポイントとはによると、DX銘柄企業とそれ以外の企業で大きな差が見られるポイントとして、「ビジネスモデル変革に活用できている」「(経営)戦略と連動している」「きちんと予算措置をとっている」「挑戦を促す仕組みがある」「経営トップとDX担当役員が密で円滑なコミュニケーションを取れている」の5つを挙げています。

2021年上期ヒット商品番付、「未来の当たり前」買いたい
 日経MJ 2021/6/16に2021年上期ヒット商品番付が発表されました。東の横綱は「サステナブル商品」、西の横綱は「買い物テック」。日経MJは、「未来では当たり前となる消費スタイルを感じさせる顔ぶれ」、「社会が転換期にある中、時代を先取りしたマーケティングが求められる」と解説しています。

銀・証・保の垣根が消える 「誰でも金融機関」の号砲
 日経ビジネス 2021/6/28号の記事より。「金融サービス仲介業」が、20年6月に金融商品販売法が「金融サービスの提供に関する法律」に改正されたことに伴い創設されました。複数の金融機関との提携が容易となり、仲介業者のビジネスの自由度は高くなるようです。法律は21年秋にも施行される見込みとのことで、どのような企業が参入するかが昨年から話題になっています。


 

 

ニュース

2020年04月24日
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