成立したeビジネス/デジタルビジネス関連の特許(FI=G06Q)で、特許公報発行日が2021年9月のものは670件(うち実用新案3件)でした。それらの中から次の4つをご紹介します(ダイレクトリンクを張る関係で前々月に発行された登録特許から選んでいます)。
三菱UFJ信託銀行株式会社 & 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ パーソナルデータ信託システム、及びパーソナルデータ信託プログラム(特許6942674)
2021年9月29日発行。
各個人自らが、パーソナルデータ(PD)の提供先や使用等の条件を決めてPDの流通を主導できるような、パーソナルデータ信託システムの提供を目的とする発明。三菱UFJ信託銀行による情報銀行サービスDprimeに関する発明と思われます。
eBASE株式会社 サーバ装置、情報処理方法、及びプログラム(特許6943382)
2021年9月29日発行。
紙のチラシに掲載されている商品の詳細な情報を提供可能な仕組みの特許。チラシ掲載食品の詳細情報(アレルゲン、栄養素等)をスマホで閲覧するクラウドサービスe食ちらしに関する発明と思われます。
イジゲン株式会社 定額制プラン提供装置、定額制プラン提供システムおよび定額制プラン提供プログラム(特許6941825)
2021年9月29日発行。
イジゲンから、この特許取得のニュースリリースが既に発表されています。alwaysというOMO型サブスクリプションサービスの仕組みに関する発明。
クーコム株式会社 取引仲介プログラム、情報処理装置及び取引仲介システム(特許6931513)
2021年9月8日発行。
取引仲介サーバは、宿泊施設の稼働率と、指定された期間とに応じて算出された当該宿泊施設の利用権の価格を出力する、という仕組みの発明。クーコムが運営するThe Worke(ザ・ワーケ)というワーケーション等向けに高級旅館・ホテルを(契約期間に応じて)最大88%オフで利用可能なサービスに関する発明。特許出願中と明記されていました。
その他、主なeビジネス/デジタルビジネス関連の動向より
その他、注目すべき情報です。主に先月発表の情報より。
DX白書2021
IPAより10月11日に発表されました。本文には、DX戦略、デジタル時代の人材、DXを支える手法と技術、付録には、AI技術、制度政策動向、計372ページと幅広い内容です。IPA新白書有識者委員会で議論した内容と、IPAが日米の企業に対して実施した「企業におけるデジタル戦略・技術・人材に関する調査」の結果から作成。国内企業14社へのアンケートも含まれています。
日立が拓く「DXaaS」の道 IoT基盤軸に会社を変える
日経産業新聞 2021/10/7-1面より。「日立が目指すのは、企業やインフラのデジタルトランスフォーメーション(DX)をまるごと支援するDXaaS(DXアズ・ア・サービス)の構築」と解説。日立自身はDXaaSという用語は使っていないようですので、日経による造語のようです。
JTB・山北栄二郎社長「デジタルと店舗が連携」
日経産業新聞 2021/10/29「旅行大手トップ 活路を語る」より。「今後は、デジタル化を提供するツーリズムプラットフォームを作り、旅館が参加してくれることで自由自在に販売できる仕組みを提供する」と語っています。また、別な記事では、事業構造を転換するまでの猶予は2年という意味の発言をしています。ですので、早期のプラットフォーム構築が必要でしょう。