成立したeビジネス/デジタルビジネス関連の特許(FI=G06Q)で、特許公報発行日が2023年2月のものは539件(うち実用新案3件)でした。それらの中から次の4つをご紹介します(前々月に発行された登録特許から選んでいます)。
三菱商事株式会社 端末装置、情報処理装置、情報処理方法及びプログラム(特許7230268)
2023年2月28日発行。
宅配ボックスに入れておけば集荷してくれるというサービスに関する発明。「利用者は、マンション等の宅配ボックスに荷物を入れて置きさえすればよいので、わざわざコンビニまで荷物を運ぶ手間もかからない。また、集荷まで荷物を渡すために自宅に居なければならないこともない」という効果。宅配ボックスから発送できるSMARIサービスとして、今年、ガーラマンション向けサービスと、戸建て住宅向けサービスが発表されていますので、それらに関する発明と思われます。
株式会社セブン-イレブン・ジャパン+株式会社セブン&アイ・ホールディングス 商品提供装置、商品提供方法及び商品提供プログラム(特許7217831)
2023年2月3日発行。
アバターが移動する三次元の仮想空間に設けられた仮想店舗でユーザにより注文された商品の発注先となる発注先店舗を、実店舗の中から特定する、という発明。メタバースへの対応として考えているのでしょう。
ユニ・チャーム株式会社 情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム(特許7221314)
2023年2月13日発行。
利用者に対して適切な商品を選択するためのスコアを算出する仕組みの発明。例としてオムツがあがっていますので、大人用おむつサイズをスマホ撮影で診断という日経産業新聞2022/11/7の記事に関する発明と思われます。なお、ユニ・チャームは2月に他にも3件特許を成立させています。日経コンピュータ
2022年3月3日号「デジタル技術を特許で守れ ユニ・チャーム知財本部の挑戦」に書かれているように、知的財産本部の特許部内に専門組織「DXグループ」を設けたことによる成果でしょう。
損害保険ジャパン日本興亜株式会社 事故対応装置、事故対応システム、事故対応方法および事故対応プログラム(特許7223538)
2023年2月16日発行。
チャットによって円滑な事故対応を可能とする事故対応装置についての発明。「新規性喪失の例外の表示」に書かれているLINEによる事故受付・事故対応サービス トライアルに関する発明と思われます。
その他、主なeビジネス/デジタルビジネス関連の動向より
その他、注目すべき情報です。主に先月発表の情報より。
「変革」で米国に後れを取る日本 最新DX白書で浮き彫りに
日経コンピュータ 2023/3/16号より。2月に発表されたDX白書2023に関する記事。人材が課題という点が数値で明らかになった。
DX成功・失敗の実態 674社調査で分かった
日経コンピュータ 2023/3/30号より。こちらは、日経クロステックと日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボによる独自調査報告書『DXサーベイ
2023-2025 674社の成功・失敗の実態と課題分析』の結果から。DX推進企業のうち、「本気で取り組み、目覚ましい成果を上げている」のは2.8%にとどまる。最も割合が大きかったのは、「本気で取り組み、一定の成果を上げている」(28.9%)だった。これに、「本気で取り組んでいるが、まだ成果を上げていない」(27.9%)が続く。「PoCという位置づけである」が23.6%で3番目に多い。ということで、まだまだ大きな成果をあげている企業は少ないというのが実態のようです。
日本のサービスイノベーション2022の発表
サービス産業生産性協議会での活動(日本サービス大賞、日本版顧客満足度指数(JCSI)調査など)を通じて得られた多様なサービス事例の中から、模範となるサービスイノベーションの最前線事例をまとめたもの。2023年3月28日に発表。なお、去年12月に発表された第4回 日本サービス大賞の受賞事例集も公表されました。