成立したeビジネス/デジタルビジネス関連の特許(FI=G06Q)で、特許公報発行日が2023年3月のものは855件(うち実用新案6件)でした。それらの中から次の4つをご紹介します(前々月に発行された登録特許から選んでいます)。

株式会社野村総合研究所 サーバ、方法およびコンピュータプログラム(特許7236045)

 2023年3月9日発行。
 ユーザのライフログに基づき推定されたユーザの嗜好性を反映した旅程を提案する仕組みの発明。この特許の発明者3名中2名は、以前に「JAL どこかにマイル」に関する発明と思われる「空席販売システム」(特許6037571、特許6045124)を発明しているため、この特許は「どこかにマイル」青森県でのAIコンシェルジュサービスに関する発明と思われます。なお、JR東日本の「どこかにビューーン」でも開発に野村総合研究所が関わっているのは、特許を持つ強さでしょう。

株式会社ジェイテクト+国立研究開発法人産業技術総合研究所 サイバーフィジカルプロダクションシステム型生産システム(特許7239106)

 2023年3月14日発行。
 この発明のサイバーフィジカルプロダクションシステム型生産システムは、現実世界で工作機械を備えて工作物を生産する生産ラインと、その実生産状態を仮想世界における仮想生産状態として生成して、生産ラインの生産条件を満たすように生産指令値を修正した最適生産指令値を制御装置に出力する仕組み。「ジェイテクト-産総研 スマートファクトリー連携研究ラボ」の研究成果と思われます。

旭化成株式会社 装置、方法、およびプログラム(特許7241974)

 2023年3月17日発行。
 輸送中の生鮮物の温度および位置情報を含む輸送情報を利用した生鮮物輸送の仕組みの発明。旭化成のクラウド型生鮮品物流ソリューションFresh Logiに関する発明と思われます。

株式会社お金のデザイン 情報処理装置、情報処理方法およびプログラム(特許7231296)

 2023年3月1日発行。
 個人に関連付けられる資産および負債の一部または全体を考慮して、ロボアドバイザーサービスにおけるポートフォリオの配分を適時適切に調整するための発明。「新規性喪失の例外の表示」によると、THEO[テオ] リスク調整機能に関する発明のようです。

 

その他、主なeビジネス/デジタルビジネス関連の動向より

 その他、注目すべき情報です。主に先月発表の情報より。

イオンのオンラインマーケット「Green Beans」2023年夏始動
 イオンが新しいネットスーパーのサービス(1時間単位の配送枠、鮮度管理、AIが商品をおすすめ等)を首都圏の一部地域で開始すると発表。英国でネットスーパーを運営するOcado Groupの物流技術を活用した千葉市緑区の誉田 CFC(顧客フルフィルメントセンター)を利用。

それってパクリじゃないですか?(ドラマ)
 日本テレビ系列で4月から始まった知財をテーマにしたドラマ。特許庁が協力しているのが特徴でしょう。特許庁が撮影協力、現役職員も審査官役で登場とのことです。このドラマの原作は奥乃桜子ですが、個人的には「あやしバイオリン工房へようこそ」のほうが好きです。

JR東日本、ビッグBiz解剖
 日本経済新聞 2023/4/26-28の特集記事。4/26㊤「Suica経済圏を再構築 鉄道持つIT企業へ」では、鉄道一本足からの脱却に向けて組織、働き方、事業すべてを刷新する改革を行っていると解説。20種類以上のグループ各社の会員IDを統合して、広域デジタル経済圏を作ろうという方針のようです。ネオバンクも開設する予定であり、DXに本格的に乗り出しています。

 

 

ニュース

2020年04月24日
所属を変更しました。
2017年04月04日
サイトをオープンしました。