成立したeビジネス/デジタルビジネス関連の特許/実用新案(FI=G06Q)で、特許公報発行日が2024年6月のものは722件(うち実用新案1件)でした。それらの中から次の4つをご紹介します(前々月に発行された登録特許から選んでいます)。

三井住友カード株式会社+株式会社NTTデータ+三井住友海上火災保険株式会社 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム(特許7496446)

 2024年6月6日発行。
 新規性喪失の例外の表示があります。三井住友カード・ライフネット生命保険・ライフネットみらい、オンライン保険事業における協業に向けた業務提携契約を締結の発表に関する発明のようです。カード会員にペイメントカードの付帯保険を繰り返し選択可能にさせる仕組みの発明。

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社+株式会社仙台放送+国立大学法人東北大学 情報処理システム、情報処理方法およびコンピュータプログラム(特許7496107)

 2024年6月6日発行。
 ユーザの運転挙動データに基づいて、ユーザにプレイを提案するゲームを決定する仕組みの発明。仙台放送の運転技能向上トレーニングに関する特許のようです。なお、仙台放送は、脳のトレーニング番組『川島隆太教授のテレビいきいき脳体操』を放送しているとのことです。

クリプトン・フューチャー・メディア株式会社 音楽連動広告出稿支援システム、方法、および、プログラム(特許7502745)

 2024年6月19日発行。
 広告の内容と関連性が強い楽曲の選択を支援することで広告の効果を高めるための仕組みの発明。クリプトン・フューチャー・メディア(初音ミクの会社)の社長が兼務するオンガラボという会社の「音楽AI技術」と「楽曲カタログ管理・活用サービス」を広告に利用する発明のようです。オンガラボ設立前に出願されています。既に実際に実施しているかは分かりません。

株式会社リブセンス 情報処理システム、情報処理方法及びプログラム(特許7496098)

 2024年6月6日発行。
 求人者と求職者とのオンライン面談の一部である重要箇所を要約した要約テキストを表示する仕組みの発明。新規性喪失の例外の表示があります。面接最適化クラウド『batonn』でのChatGPTを活用した面接内容の要約機能に関する発明のようです。このような生成AIを応用した発明の特許が増えています。

 

その他、主なeビジネス/デジタルビジネス関連の動向より

 その他、注目すべき情報です。主に先月発表の情報より。

なぜマネーフォワードは“祖業”を新会社に移したのか 決断の背景に「収益化」
 ITmediaの記事(2024年07月19日)より。マネーフォワードと三井住友カードの業務提携により、両社はさまざまな機能の実現を目指している、という解説。複数の口座間でドラッグ&ドロップで資金を移動できる機能、AIを活用したパーソナライズされたレコメンド機能、ポイントが貯まる家計簿、などを目指しているようです。これらが実現できればインパクトは大きいでしょう。

成分分析を介して天然素材の新たな価値が見つかる、「売りたい」と「買いたい」がつながる 新デジタル・プラットフォーム「Biondo」始動
 住友化学が7月18日に発表。天然素材の売買のためのデジタル・プラットフォームで、素材を売りたい人と買いたい人のマッチング機能を備えているとのこと。同社のDXの一環で新ビジネスモデルの創出を目指したサービスで、「データサイエンティストなど多様な専門知識を持つ人材を社内公募などで組織した専任チームが伴走支援し、アイデア探索から約1年というスピードで事業化に至りました」とのこと。

IPA  デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2023年度)
 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、7月22日、「デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2023年度)」の全体報告書を公開した。DX人材育成の課題 5割弱が「スキル獲得のマインド」という日経コンピュータ 2024/8/8号の記事で紹介されていて、「企業にDXを推進する人材の育成に当たっての課題」を聞いたところ、「スキル向上・獲得へのマインドシフト」を挙げた企業が48.3%で最も多かった、とのこと。

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