成立したeビジネス/デジタルビジネス関連の特許/実用新案(FI=G06Q)で、特許公報発行日が2024年8月のものは858件(うち実用新案2件)でした。それらの中から次の4つをご紹介します(前々月に発行された登録特許から選んでいます)。今回は、すべて新規性喪失の例外の表示がある(特許出願前に実施や公開をしてしまった)発明です。

株式会社トライアルカンパニー 自動値下げシステム(特許7542767)

 2024年8月30日発行。
 新規性喪失の例外の表示があります。TRIAL GO 和白店で実験したシステム。予め設定された値下げルールと、現在の時刻と、に基づき商品の売価を設定し、商品の値下げに関する画面を表示する仕組みの発明。「実施の形態3」ではカメラの画像を利用して売れ行きを判断して値引きする形態が示されていますが、それはトライアル、AIカメラで自動値下げ(日経ビジネスのサイトの記事)で紹介されている惣菜の自動値引きのシステムとして実施されているようです。

株式会社丸井グループ カード管理装置およびプログラム(特許7528387)

 2024年8月5日発行。
 新規性喪失の例外の表示があります。利用者独自の画像をカードに載せることを切っ掛けとして、カード利用者を確実に増やして行くことが可能になる、という狙いの発明。エポスオンリーワンカードのための発明のようです。その第1弾として、ペットの写真を券面に印刷することができるエポスペットカードの発行が始まっています。

ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社 サーバ、保険申込支援システム、保険申込支援方法、及びプログラム(特許7541947)

 2024年8月29日発行。
 新規性喪失の例外の表示があります。オンラインでの保険申し込みにおいて、顧客側から登録した認証情報又は入力した告知情報を、保険担当者側に開示しないようにする仕組み。リモートでのペーパーレス申込手続きに関する発明と思われます。

くら寿司株式会社 情報処理装置、情報処理方法、情報システム、およびプログラム(特許7534602)

 2024年8月15日発行。
 新規性喪失の例外の表示があります。持ち帰り商品の予約および引渡しがスムーズにできる仕組み。くら寿司が一部の店舗で行っているドライブスルーのシステムに関する発明のようです。ITmediaの記事があります。

 

その他、主なeビジネス/デジタルビジネス関連の動向より

 その他、注目すべき情報です。主に先月発表の情報より。

デジタルガバナンス・コード3.0~DX経営による企業価値向上に向けて~の策定
 9月19日に経済産業省が発表しました。「DX経営に求められる3つの視点」を追加し、デジタルガバナンス・コードの全体像を「DX経営に求められる3つの視点・5つの柱」と新たに整理。経営者のDXへの取り組みの関与をより高めていくことを目指すべく改訂。

特集 伊藤忠、怒涛のデジタル変革 顧客起点で発想、協業で総力戦
 日経コンピュータ 2024/9/19号より。顧客のDXを支援する「デジタル事業群」の競争力強化を目指す。物流可視化サービス「サプライチェーン視る・解く・回すサービス」(SC“み・と・ま”サービス)など。

売上高2兆円突破、35期増収増益 ドンキ社長「失敗認め、成長する」
 日経ビジネス 2024/9/9号より。国内の若年層の50%をアプリ会員化する目標を立てている。金融と相性がいいため、クレジットカードなどをセットで提供できれば金融もポテンシャルが出てくる、という狙いのようです。

ニュース

2020年04月24日
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