成立したeビジネス/デジタルビジネス関連の特許/実用新案(FI=G06Q)で、特許公報発行日が2025年3月のものは915件(うち実用新案4件)でした。それらの中から次の4つをご紹介します(前々月に発行された登録特許から選んでいます)。

株式会社博報堂テクノロジーズ 創出支援装置(特許7649406)

 2025年3月19日発行。
 生成AIを用いてアイデアを創出することを支援する創出支援装置等に関する発明。新規性喪失の例外の表示には、AI学会の2024年度全国大会で発表されたマルチエージェントを用いたアイディエーション応用とアイデア評価手法に関する研究が記されています。そのため、この特許は博報堂テクノロジーズが2024年9月にリリースしたマルチエージェントブレストAIのNomatica(ノーマティカ)というサービスに関連する発明と思われます。関連した発明として、特許7649407(基になった特許出願は同じ)と特許7649408(司会者エージェントを設定する仕組み)も同日成立しています。

株式会社オープンロジ  商品配送方法、商品配送システム及び商品配送サーバ(特許7644618)

 2025年3月12日発行。
 倉庫側のオペレーションを従来と大きく変更することなく売主側の在庫確保の負担の低減を図り、CtoCプラットフォームにおける取引を簡便に行うことを目的とする発明。新規性喪失の例外の表示によると、この特許は、メルカリとAPI連携を実施しフリマアプリ出品者の負担を軽減するためのサービスあとよろメルカリ便に関する発明と思われます。ただし、あとよろメルカリ便は2022年3月28日に既にサービス終了しています。

株式会社オプティム  プログラム、情報処理装置、方法及びシステム(特許7650124)

 2025年3月24日発行。
 地域に特化したスーパーアプリをより普及させる狙いの発明。ユーザの現在の居所が、スーパーアプリと関連付けられた特定のエリアの中であれば,自治体デジタルトランスフォーメーションのためのコンテンツ、外であれば、観光デジタルトランスフォーメーションのためのコンテンツを表示する仕組み。オプティムが提供している自治体公式スーパーアプリに関する発明と思われます。なお、オプティムは佐賀市と共同で「佐賀市公式スーパーアプリ」を開発しています。

株式会社エクサウィザーズ  情報処理方法、プログラム及び情報処理システム(特許7637869)

 2025年3月3日発行。
 ユーザが取り得る次の行動及びユーザが必要となる情報の少なくとも一方を推測し、必要となる処理結果や支援に繋がる処理結果を学習済みモデルが出力するため、学習済みモデルへ入力する入力情報の少なくとも一部を生成、という仕組みの発明。新規性喪失の例外の表示によると、この特許は、exaBaseで生成AIがTeams、SharePoint、Outlookなどマイクロソフトの各種サービスと連携する仕組みに関する発明のようです。

 

その他、主なeビジネス/デジタルビジネス関連の動向より

 その他、注目すべき情報です。主に先月発表の情報より。

ソフトバンクグループの生成AI活用の特許出願1万件の中身
 先月(4月)公開されたソフトバンクグループの生成AI活用の約1万件の特許出願について少し調べてみました。1万件のうちの約86%が、ビジネスモデル特許(ビジネス関連発明)でしたので私には興味深く感じました。長いので、詳細はブログに記しました。なお、日経クロステックには、2025年4月2日・3日に公開されたソフトバンクグループの特許出願に関して、ソフトバンクGの特許が2日で⼀挙に3500件超公開、発明の名称と出願人から浮かぶ焦点という解説があります。

「DX銘柄2025」の発表
 4月11日、経済産業省、東京証券取引所、情報処理推進機構(IPA)は、「DX銘柄2025」を発表しました。DX銘柄2025に31社(その内、SGホールディングスとソフトバンクの2社はDXグランプリ企業2025に選定)、DX注目企業2025に19社が選ばれました。また、特に傑出した取り組みを継続している「DXプラチナ企業2025-2027」にはLIXILが選出されました。選定企業レポートはまだ発表されていません。発表され次第、デジタルトランスフォーメーション(DX)の事例集のページに内容を反映するつもりです。

特集 生成AI活用の勘所 先進20社に学ぶ
 日経コンピュータ 2025/4/3号より。マーケティングやコールセンターなど業務に特化した活用が増えてきて、多くの企業が業務時間短縮や外注費削減などの効果を上げているという特集記事。

ニュース

2020年04月24日
所属を変更しました。
2017年04月04日
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